番茶について
10月も中頃を過ぎると、ようやく秋らしさを感じるようになってきました。
一方で、台風の影響からか気持ちのよい「秋晴れ」の日が少なく、雨模様の日が多いようにも感じますが、気温は朝晩と日中の温度差が10度以上という日も多いそうです。
調子を崩しやすい時期ですので、皆様体調管理にはご注意下さい。
秋の楽しみ! 番茶が美味しい!
前回(20/9 掲載 水中毒にご用心! 梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)のご紹介)、少し番茶について触れましたが、今回はその「番茶」を中心に取り上げてみたいと思います。一口に「番茶」といっても、地方により違いがあることを前回お話しました。
特に、寒い地方ではほうじ茶を「番茶」と呼ぶ地方語もありますが、今回は「緑茶」としての(?)番茶です。
番茶とは、「柔らかな新芽でなく、硬化が進んだ茶葉(コワ葉という)を原料としたお茶」や、「一度収穫した後、遅れて伸びた茶葉(遅れ芽)を原料としたお茶」、あるいは「仕上げ時に選別された大型の茶葉を原料としたお茶」のどれかに当てはまるお茶が「番茶」であるといっても間違いは無いと思います。
特に、寒い地方ではほうじ茶を「番茶」と呼ぶ地方語もありますが、今回は「緑茶」としての(?)番茶です。
番茶とは、「柔らかな新芽でなく、硬化が進んだ茶葉(コワ葉という)を原料としたお茶」や、「一度収穫した後、遅れて伸びた茶葉(遅れ芽)を原料としたお茶」、あるいは「仕上げ時に選別された大型の茶葉を原料としたお茶」のどれかに当てはまるお茶が「番茶」であるといっても間違いは無いと思います。
お茶は遅く摘むほど品質が落ちるため、昔は晩茶とも言われていたようです。 またお茶の摘採期を、春先の1番茶から2、3と数えて、番外のお茶であるという意味から「番外茶」→「番茶」となったという方もいます。 他にも、高品質の煎茶は販売用に製造し、売り物になりにくい、遅れて伸びた葉や、硬くなった葉を自家消費用に製茶した“晩茶”が、“番茶”になったという説もあるようです。 |
番茶の有効成分
番茶にもいろいろな種類がありますので、一概には言えませんが、実際に主要成分の含有量を調べてみると、確かに、うま味の成分アミノ酸の含有量は上級茶の数分の1、カテキン、カフェインの含有量は7割程度なのがわかります。
しかし、反対にポリサッカライドと呼ばれる成分が豊富に含まれています。
最近、メディアでも取り上げられていますので、お聞きになったことはありませんか?
このポリサッカライドは新しく発見された特別な成分ではなく、多糖類を英語で表現したものです。
ちょっと専門的になりますが、番茶に含まれる多糖類はL-アラビノース、D-リボース、D-グルコースなどが結合したもので、ご飯に含まれる炭水化物や野菜やきのこに含まれる食物繊維、小麦の炭水化物、寒天の食物繊維も全て多糖類に分類されます。
このポリサッカライドには、血糖値を下げる効果があることが確認されていますが、番茶に含まれるポリサッカライドは、一般的なお茶の概ね4.5倍の量が含まれることから注目されてます。
また、他にもお茶の保健成分で最近注目されているものにカテキンがあります。 そのカテキンには、体脂肪を低減する効果も認められているそうです。 秋冬番茶は価格当たりのカテキン量が最も多く、しかも、熱湯で美味しくいただけるため、体脂肪を低減する効果を含め、研究機関で数多く発表されているカテキンの効能を経済的に効率良く取れるお茶でもあります。 |
今の季節にオススメの番茶のちから
インフルエンザなどが流行する季節、カテキンの抗菌・殺菌作用を生かしたウイルス予防を考えた時、「カテキンなどのお茶の栄養は摂りたいけれどカフェインは控えたい」という方にぴったりなお茶だと思います。
目的に合わせた番茶の淹れ方
さて、今回「番茶」の有効成分より「ポリサッカライド」と「カテキン」の2つをご紹介しました。
ところで、ポリサッカライドは非常に水に溶けやすいのですが、高温に弱く壊れやすいという性質があります。一方で、カテキンは80度位の温度で最も抽出されます。 「ただ純粋にお茶を味わいたい!」という方は、余り考えすぎずお好みの温度で淹れて頂けば、と思います。でも、お茶の「機能性」を目的とするなら、淹れる温度により使い分けが出来るということなのです。 ちなみに、ポリサッカライドを目的とするなら、流行りの「水出し」で番茶を淹れる方法がお勧めです。 |
番茶の健康的なお茶生活
毎日の健康にお役に立つ、今の時期にオススメのお茶の楽しみ方は、「番茶を2倍楽しむ」お得な淹れ方です。まず、毎食のお食事には水出しや氷水出しで番茶を淹れます。あらかじめ、フィルターインボトルなどで作り置きしておいても良いですね。食前や食事の際のお飲み物には、水出しした番茶をお楽しみください。くせの無いサッパリした味わいは、様々な料理に合うお飲み物としてもお勧めです。
また、豊富なポリサッカライドが、食後の血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果が期待出来ます。 価格的にも安価なお茶ですから、いつもより多めのたっぷりのお茶っ葉を使っても、水出しなら渋みも弱く美味しく頂けます。
さて、食後には「水出し」に使った茶葉をポットなどに取り出し、熱々の熱湯を注ぎます。 新しい茶葉よりも、少し長めに置いておくことで、今度は渋み成分の「カテキン」がたっぷり溶けだした、パンチの効いたお茶が出来上がります。 同じ茶葉でも「水の温度でこれだけ味わいが違う!」というお茶の奥深さをお楽しみ下さい。特に脂っこい料理の後には、食後にお口をサッパリとさせてくれます。 しかも、このお茶には「抗菌成分」がたっぷりです。 そのままお飲み頂くだけでなく、冷蔵庫などに保存して、外出から帰宅時の「お茶うがい」などにもお使いいただけます。 但し、防腐剤などを使用していません。冷蔵庫でも、半日程度を目安に使い切って下さい。 |
お茶のある暮らしを健康に生かそう
お茶には様々な有効成分があります。そして、時に薬のような働きもしてくれます。 でも、食品であるということが「安全性」という面で一番の利点じゃないかと思います。 「お茶のある暮らし」が皆様の健康生活に少しでもお役に立てるよう、今後も情報発信してまいりますのでよろしくお願いします。 |